中国（上海）自由貿易試験区初回制度革新において典型的な企業ケースサンプルまとめ——アムコアテクノロジー（上海）有限公司

　自由貿易試験区のビジネス環境を向上し、自由貿易区が企業にもたらしたボーナスを見せるため、2017年3月に、上海市自由貿易試験区管理委員会が初回の「制度革新十大の典型的な企業サンプル」イベントを行われ、組織委員会が組織推薦や企業自薦の形で、全区の8万社以上の企業に募集し、メディアの発表、企業の申請、実地検証、専門家委員会投票、インターネット投票などの段階で6ヶ月をわたって評価して選考した結果、初回上海自由貿易試験区「制度革新十大の典型的な企業サンプル」や六つの「制度革新サンプル企業」を選出しました。企業の種類が外国企業、国有企業および民間企業をカバーしており、上海自由貿易試験区の制度革新成果が企業をサービスしている同時に、企業が自由貿易区への建設に積極的に関与した反映です。なお、より多くの企業が自由貿易区の革新した制度に関与して利用できるように、我々は『初回中国（上海）自由貿易試験区制度革新十大の典型的な企業サンプル』ケース集を編纂し、読者の皆様に、近頃続々と世に出す予定です。

会社概要

    アムコアテクノロジー（上海）有限公司（以下、「上海アムテク」という）は米国アムコアテクノロジーによる独資企業で、上海外高橋保税区に設立されたB2B企業であり、集積回路の単独でアウトソーシングのパッケージおよびテスト業務を中心にしています。上海アムテクは中国の4つの部（日本の省に該当）と委員会の認定を得た第一期企業で、税関から「高度認証企業」や「AEO企業」第一期として認められ、上海出入国検査検疫局から「AA型企業」の認定を受けています。上海アムテクは投資総額が6.45億米ドルで、外高橋保税区に17万平方メートルの生産基地を所有しています。

政策活用

    一連の貿易円滑化イノベーション対策のおかげで、企業側の通関は便利で効率的になりました。集積回路産業の共通点の一つといえば、「寸秒を争う」という表現がぴったりです。上海アムテクは輸入貨物ロットの95％以上が航空便で、輸出の方は100％の航空便となっているので、顧客が納品周期を時間単位で判断している結果、納品周期は顧客がパッケージ及びテストサプライヤーを選ぶ重要な条件の一つとなっています。そして、税関や出入国検査検疫局などの部門は「区に入ってから税関に申請」、「区内で自主運輸」、「輸出入一括で、申請一斉」、「通関作業の申込書簡略化」、「ゲート通関検査のスマート化」、「AOE相互承認」、「通関検査申込書チェックの取り消し」、「単一窓口」、「通関一体化」などの一連のイノベーション対策を実施して企業に便利さを提供しているとともに、原料と製品の税関入出境時間を短縮し、検査率を下げ、企業のランニングコストを削減しました。「区に入ってから税関に申請」を例として説明すると、企業が輸入する航空貨物は従来の2日間から1日に短縮され、海上貨物は従来の6日間から4日間に短縮されました。また、出入国検査検疫局は中古機械設備に対して輸入する前登録の一環を廃止し、届けの申請や受理の周期は従来の数ヶ月から3ー5日間に短縮されて企業のより良い発展に役割を果たしました。

    出入国では、人材導入政策の実施により、企業側が高度人材を招き寄せるのに便宜を図りました。2016年2月、上海自由貿易試験区出入国証明書発行センターでは、外国人向けの「単一窓口」を開設し、人力資源社会保障部門や国家外国専家局そして公安出入国といった三つの部門の外国人向けの証明書業務を統一させ、「窓口を三つから一つに」し、率先して外国人向けの証明書発行業務を「一つの窓口で受理、一斉に発行」という新たなモデルを作り出しました。上海アムテクのある外国人管理者が就業証と在留許可の申請を出して、その手続きに驚き感心しました。「書類を一回だけ出したけど、一週間後に連絡が来て、就業証と在留許可両方もできたって。この前、証明書が違うと別のところに行かないと、そしてすくなくとも半月ぐらいかかると聞かれたのに、こんなに便利なんか思いもよらなかった！」と。

ケースコメント

    上海自由貿易試験区で実施された貿易円滑化、高度人材誘致の新政策により、上海アムコアテクノロジー有限公司上海は確実に改革のボーナスを味わえました。上海自由貿易試験区が制度のイノベーションを重要な課題として、企業を重要な主体として見ているからこそこのような成果を上げています。我々は今後も引き続き努力を惜しまずに、上海アムテクのような企業に上海自由貿易試験区の政策の良さを受けてもらいます。