投資環境
情報の公布と共有
上海自貿区での投資と管理制度の革新として、2013版「ネガティブリスト」の登場は、中国が開放を拡大し、国際基準に則って事業を展開するということを意味している。上海自貿区の総体的な発展計画によると、上海自貿区は金融サービス、航運サービス、貿易サービス、専門サービス、文化サービス及び社会サービスといった六つの分野で23の開放措置を実施し、投資者資格への要求や、持株比率制限、経営範囲などの市場参入制限を一層緩和し、あるいは撤廃して投資者たちが平等で市場に参入できる環境を構築しようとしている。
上海自貿区は適用しない審査許可制度を取り消す一方、登録管理を実施する。どこの国の企業を問わず、条件を満たせば4労働日(平日)內に登録の手続きを済ませることができる。各企業は上海自貿区に対して「業務の効率が高い」と評価している。国内投資の上海遠時(投資)有限公司の責任者は営業許可書を取得した時は「商機を逃すまい」と興奮気味で話していた。外資独資企業であるアリルネットワーク技術有限公司は融資を行い支社を上海自由貿易区で設立した。同会社のCEOは手続きを終えてわずか4労働日(平日)以内に関連証明書を手に入れた。彼は「上海自貿区の手続きの効率は確かに高い」と称賛した。
上海自貿区の開放の程度はグローバル経済学者たちの予想をはるかに超えている。復旦-ZEW中国経済景気指数の中国金融分野及び他の関連工業経済部門における国內外で有名な専門家を対象として実施した調査の結果によると、「上海の経済が上向きになっている」と予測する専門家は54%、その中の95%の専門家は上海ひいては中国の経済の景気回復は上海自由貿易試験区に良い影響を与えていると表明していた。
市場を活発化する
上海自貿区での貨物やサービス等の要素を自由に流動させることは上海自貿区の貿易監督管理制度の革新の狙いで、「一線放開」と「二線安全・高効率管理」の実施を通じて透明的な管理制度を促進するのは、全国でも前例がない。
制度の革新が経済を活発化することができるのか?
復旦大学経済学院院長の袁志剛氏は、「上海自貿区の新しい制度は、企業と機構に大きな発展のチャンスをもたらし、市場の活力と創造力を引き出し、さまざまな資源の配置を最適化し、経済の持続的成長を駆動する」と述べたほか、「その新制度は対外開放の新たな措置にとどまらず、民営資本の市場参入制限の緩和、国內市場の統一化、一流の私営企業の育成にもつながる」と明らかにした。
上海市市政府副秘書長で上海自由貿易試験区管委会の常務副主任の戴海波氏は、「かつて我々は事前の審査許可を重視していたが、これから事中事後の監督管理に重点を置く。われわれは入居した企業に対して情報を共有するためのプラットフォームを構築する必要がある。業界協会の役目を果たし、社会全体が共に企業を監督するということが企業と政府に課せられた務めだ」と表明し。また同氏は「上海自由貿易試験区は今年中に政府の職能の転換に関する方案を制定し、部門を跨ぐ法執行協力制度を整備し、改革をより一層深化させようとする」と表明した。
職能の転換・モデルチェンジ
改革開始からの2~3年の間で、上海政府の職能転換が進み、上海自貿区の投資・貿易が円滑化され、通貨の自由両替が行えるようになり、監督・管理の効率が上がり、法制環境の規範化が加速してきている。
多くの専門家によると、現在激しいグローバル金融分野の競争と產業の転換とアップグレードの状況に置かれている中国は貿易・製造大国から資本・產業強国へと発展する重要な時期を迎えている。上海自貿区はグローバル化の重要な橋頭堡として、二つのセンターを建設している。2009年3月25日の国務院常務会議では、上海で現代サービス業と先進製造業の発展を加速し、国際金融センターと国際航運センターを建設するという意見、及び2020年までに上海を国際金融センターにさせるという計画案は通過したという。
袁志剛氏は、現在のグローバル経済から見ると、経済活動がますます重要都市を頼りに、これらの「国際的な都市」は迅速に世界につながる通路(航空線、港、鉄道などを含み)を備え、グローバル資金の流動や情報の発信などで有効に市場の資源を配分する」という特徴があるということがうかがえ、中国にこのような「国際的な都市」がなければ、その経済の転換が実現できないといっても過言ではない。その状況に直面している上海自貿区は、貿易と投資の自由化、金融の国際化などの重要な使命を担っており、上海を、中国経済をアップグレードするための「国際的な都市」にさせよう」、と発表した。(中国上海ポータルサイトより)