中国初のサービス貿易ネガティブリストが公表 上海自貿区
上海市政府新聞弁公室がこのごろ行った記者会見で明らかにされたところによると、『中国(上海)自由貿易試験区跨境サービス貿易ネガティブリスト管理モデル実施方法』(以下、「実施方法」と略)と『中国(上海)自由貿易試験区跨境サービス貿易特別管理措置(ネガティブリスト)(2018年)』(以下、「管理措置」と略)が打ち出され、2018年11月1日は正式に実施されることになるという。
グローバル・バリューチェーンへの融合
現在、上海のサービス貿易は急速に成長している。データーによると、2017年中国年間サービス貿易額は6956.8億ドル(1ドル=約112円)を突破し、アメリカについで世界2位のサービス貿易大国となっている。また上海のサービス貿易の成長率は長らく全国のトップを走り続けている。国家外匯管理局(国家外国為替管理局)上海支局が発表したデータによると、2017年上海は1955億ドルのサービス貿易額を達成している。
上海市の呉清副市長は上述し実施方法の意義について「この方法は中国が積極的に国際経済・貿易の構造の変化に対応する上で重要な役割を果たすことになるだろう」と指摘。また同氏は「この方法はグローバルチェーンへの融合、全国のサービス貿易の革新及び自由貿易区のさらなる改革と拡大を促進するものだ」と述べた。
ネガティブリストの全過程の監督管理システムを構築
実施方法は国境間サービス貿易のネガティブリスト管理の法治化、制度化、規範化と標準化を推し進めることを目指し、ネガティブリスト管理モデルに合った公平で公開された透明性の高い国境間サービス貿易全過程監督管理システムを構築する。
この新しい実施方法では、「国境間サービス貿易」について、「海外の企業が自由貿易区でサービスの取引を行う」ことが、明確に定義づけられた。その上、国境間の支払いと海外の消費、人の流動といった三つのモデルも含まれている。
31の業界の159項目
管理措置には、31の業界に及ぶ159項目の特別管理措置が含まれている。そのうち、国境間金融サービスは重要な分野の一つとなっている。
金融サービスに関する項目は、159項目の31を占め、貨幣金融サービスと資本市場サービス、保険業を中心に、さらに金融業の透明度と開放性を向上させる。具体的には、銀行カード決済清算機関と非銀行決済機関の市場参入制限を一層緩和し、より多くの海外投資者と仲介機構の上海先物取引市場での取引を後押ししていくという。