2018年上海自由貿易試験区での成功例
このごろ上海自由貿易試験区金融工作協調推進グループ弁公室、上海市金融工作局、人民銀行上海本社、上海銀保監局、上海証監局、上海市発展改革委と上海自貿試験区管理委員会(浦東新区政府)の共同主催による上海自由貿易試験区第九回金融革新例発表会で公表された15の例は、すべて国レベルの対外開放の重要措置で、「一帯一路(the Belt and Road)」イニシアティブにおける資金融通、長江デルタ一体化発展、上海国際金融センターの建設などを促進する上で、典型的な金融革新例だということが明らかになっている。
〇金融開放・革新面で二つの例が打ち出されている。
①その一つはチャータード銀行(Chartered Bank)の「パンダ債」が中国銀行間の債券市場で発行され、これは東盟地域が発行した初の主権「パンダ債」で、数多くの海外投資人が「債権通」を通して今回の債券発行をサポートし、海外における割当て量は88%に達し、国際投資者の中で割当て量が最大となっている。
②国泰世華銀行(中国)有限公司は9月10日開業し、これは中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)の実施した銀行業拡大開放措置の良い例となっている。
〇金融市場革新においても、六つの例も発表された。
①上海証券交易所が行った「一帯一路」債券。これは「一帯一路」資金融通を促し、取引所の債券市場の「一帯一路」イニシアティブの建設に貢献していく。
上海先物取引所が打ち出した上海先物標準倉単取引プラットフォーム、銅先物・選択売買権、パルプ先物。
②そのうち、上海先物標準倉庫レシート取引プラットフォームは銅とアルミニウムの標準倉庫レシート取引業務を展開し、実体企業に向けて、取引、決算、決済、貯蔵、リスク管理が一体化したサービスを提供し、先物市場と現物市場の連動発展を実現した。
③銅先物・選択売買権は銅先物を選択売買権契約の対象とし、国内の非鉄金属派生物市場の各種のリスク管理ツールを持続的に充実させた。
④パルプ先物はグローバルで現物を決済方法としたパルプ先物契約で、中国ひいては世界のパルプ市場の需要と供給の変動を反映し、中国パルプ製品の国際影響力を向上させるうえでも、重要な役割を果たしている。
⑤中国金融先物取引所は2年期限の国債先物を打ち出し、利潤リスク管理ツールを充実させ、国債先物市場の短期的な品種の空白を埋め、2年と5年、10年といった三つの期限の国債先物からなるシステムを構築した。
⑥上海保険取引所は国際再保険プラットフォームを立ち上げた。国内外参与主体を誘致する同時に、上海自由貿易試験区の自由貿易口座システムを頼りに、国内外の再保険参与の主体に高効率で利便性が高い多国間資金決算・決済サービスを提供する。(*再保険は「保険の保険」とも呼ばれ、保険者が引き受けた保険責任の一部または全部を他の保険者に移転し、他の保険者が保険の形でこれを引き受けることをいう。)
〇金融サービス革新において、四つの例が発表された。
①中国銀行、太平洋財産保険、中国人寿など上海金融機構で第一回中国国際輸入博覧会に向けて一連の金融サービス方案を策定し、輸入博覧会に向けて高品質の組み合わせサービスを提供し、多分野で全面的で輸入博覧会を後押ししている。
②浦発銀行によって発表された金融改革革新政策に基づいて、総合金融サービスをアップグレードし、最適化し続けている。
③工商銀行上海市支店は上海自由貿易試験区の決済・決算を頼りに、ブラジルとシャンマーの海外機構を提携し、海外の機構は業務を発起する銀行として、地元のプロジェクトを対象として調査と審査を行い、その一方国内の機構は関連の監督管理への要求を結合し海外預金・貸し付け業務の薄記を提供し、海外企業の「一帯一路」重点プロジェクトに対する投資・建設を支援する。
④上海国際集団は上海、江蘇省、浙江省、安徽省の大型企業を牽引し、100億元の「長江デジタル協同優位性産業基金」を設立し、基金は上海国際集団傘下の上海国方母基金株式所有権投資管理公司が管理し、科学技術などでの重点投資を通して、長江デジタル産業チェーンの深いレベルでの融合を促進する。