新片区、更なる開放を目指す
5月11日の取材によると、上海は自由貿易区における新片区の建設を推進し、更なる開放を目指して自由な越境資金精算業務モデルを模索しようとしている。
上海市金融工作局長の鄭楊氏は、上海自由貿易区が発足してから5年にわたって、金融イノベーションのケース111例も発表され、現在では31本の金融対外開放に関する案件が申告され、うち17本はすでに許可を得たと語り、目下の好調を示した。同氏によると、上海自由貿易区における目覚しい発展のうえ、新片区は更なる特殊かつ開放的な経済特区として設立され、先頭を切って改革を試行しようという。
また、上海は長江デルタ地域一体の発展のため、金融政策・サービスの標準を統合し、まず先に科学創新企業、金融サービスなどの分野における一体化の実現を求めている。近年では、滬港通や黄金取引所国際ボード、原油先物などの新たな金融サービスや金融商品の提供につれ、上海は金融開放の発展で著しい成果を成し遂げ、中国対外開放の最前線となってきた。
鄭楊氏は「上海は確実に中国金融センターとしての地位を築いたが、成熟した国際金融センターと比べればまだ差がある」と指摘したほか、市場機能の強化、グローバル融資センターとしての影響力の拡大、金融人材の育成など様々な面における今後の上海の発展に期待を寄せた。上海の未来戦略について、同氏は二つの要点を提出した。まずは人民元のオンショア業務センターの建設を推進し、グローバルな人民元市場を形成させること。つぎに、上海はアジア太平洋地域を拠点とし、地の利を活かしてロンドン、ニューヨークのような世界金融センターを目指すという。
一方で、上海は市の監督・管理制度を整備し、保障のあるビジネス環境を構築しようとしている。これに対して鄭楊氏は、上海が今年中に新しい監督・管理条例を発表すると見込んでいる。