上海、今年第一四半期外資誘致は好調を維持
上海市が発表したデータによると、今年第一四半期に新設された外資プロジェクトは1411件、去年同期比43.4%増;外資契約額は140.97億ドル(1ドルは約110.2円)、去年同期比33.7%増;外資実際利用額は44.68億ドル、去年同期比20.3%増となり、外資誘致の好調ぶりが目立っている。
外資の投資額が増えるとともに、投資産業の転換も進んでいる。新しい産業・業態・商業モデルという分野における外資実際利用額は去年同期比68.4%増の13.32億ドルで、総額の30%近くを占めている。一方、ビジネス、科学技術をはじめとするハイエンド・サービス業も急速に成長している。そのうち、ビジネスサービス業の外資実際利用額は去年同期比19.2%増の18.4億ドルで、総額の41.2%を占めている。科学技術サービス業の外資実際利用額は1.83億ドルで、去年同期比54.6%増という。
また、化学工業に関するプロジェクトの推進が製造業における外資誘致の追い風になっている。今年第一四半期のデータによると、製造業における外資実際利用額が去年同期比12.8%増の2.92億ドルに達し、うち半分以上は化学工業に投じられたという。ほかに、インビスタは上海化学工業区とパートナーシップ協定の覚書に調印し、40万トンのヘキサンニトリル(ADN)を生産する基地の建設を計画した。その投資額は10億ドルを超え、中国国内初のヘキサンニトリル工場として2023年から生産段階に入ると予測されている。
最近、上海において第30回多国籍企業地域本部・研究開発センターの設立許可証授与式が行われ、アプル、アクセンチュア、ナイキなど22か所の多国籍企業地域本部及び5か所の研究開発センターの設立が決定された。上海は580平方キロメートルの産業用地を構え、去年まで多国籍企業地域本部670社、外資研究開発センター441か所が上海で立地した。今年はその好調を続け、第一四半期でグレコ、不二越、デカトロンなど10社の多国籍企業地域本部が上海に進出し、うちアジア太平洋地域本部は5か所、研究開発センターは5か所という。上海市商務部副主任の楊朝氏は、ジョンソン・エンド・ジョンソンのバイオ医薬J LAB、メドトロニックの医療センターM LAB、張江多国籍企業連合プラットフォームなどの科学イノベーションに関する案件が次々と上海で推進されていると表明し、「今年は170億ドル以上の外資実際利用額を目指している。外資は我が国の開放と高質量の発展に重要な役割を果たせる」と同氏は語った。
上海市長の応勇氏は授与式に出席
では、外資にとって上海の魅力はどこにあるだろう。華東政法大学の賀小勇氏は、上海が政策面における開放に注力しているとその原因をまとめた。同氏によると、上海は率先して参入前国民待遇とネガティブリスト管理のモデルを導入し、さらに「証照分離」と「照後減証」の改革が実行された。こういう政策面のイノベーションこそ投資市場発展の起爆剤として効く同時、政策面における開放の「深さ」と「広さ」が外資誘致のコア競争力となっている。例えば、「上海自由貿易試験区条例」第47条によると、自由貿易試験区では各市場主体の平等な法的地位と発展の権利が法律によって保障されている。「広さ」から見ると、上海が去年7月から「100条」政策を推し進め、金融業、現代サービス業、先端製造業まで触れ、新たな開放を目指すという。