上海、「外商投資法」を徹底的に実行
「外商投資法」が3月の第13期全国人民代表大会で採択された。上海はこのほど「外商投資法」の徹底的実行に関する決定を採択し、2020年1月1日から施行する見込みだ。
3000人余りの代表者たちは「外商投資法」について表決していた
5月23日、第12回上海市人民代表大会常務委員会は「<外商投資法>の徹底的実行に関する決定」(以下「決定」と略す)を採択し、国家級経済特区の設立と新政策の試行を積極的に推進し、外商投資と対外開放をレベルアップさせる、と発表した。
上海市人民代表大会常務委員会・法制工作委員会の丁偉主任は、上海が外商投資の密集地であり、対外開放戦略における重要な都市と位置づけられていて、上海にとって「外商投資法」をいかに施行するのかは現在の課題になっていると語り、「決定」の重要性を強調した。
2018年、上海に新設された外資プロジェクトは9.7万件で、外資契約額は4712億ドル、外資実際利用額は2404億ドル(1ドルは約108.2円)に達した。一方、上海に地域本部を設けた多国籍企業は670社で、うち88社はアジア太平洋地域本部;外資系研究開発センターは441か所にのぼり、うちアジア太平洋地域以上のハイレベル研究開発センターは65か所。2019年第1四半期では、新設外資プロジェクト、外資契約額と実際利用額がそれぞれ前年同期比43.4%、33.7%、20.3%増となり、グレコ、不二越、デカトロンなど10社の多国籍企業地域本部と5か所の外資系研究開発センターが上海に進出したという。
また政策面では、上海が率先して参入前国民待遇とネガティブリスト管理のモデルを導入し、さらに開放を広げる「100条」政策を実施した。上海市金融工作局の鄭楊局長によると、上海は現在「100条」政策を徹底させ、31件の金融対外開放に関する案件が上申され、うち17件がすでに許可を得た。自由貿易区新片区について、同氏は新片区が特殊かつより開放的な経済特区であり、上海は先頭を切って改革を試行し、自由な越境資金精算業務モデルの構築を模索すると語った。
「決定」の実施により、上海市政府と区政府は外商投資を促進するための規約や政策を制定できるという。丁偉主任は、上海が「外商投資法」の法的効力を保障するほか、革新的な施策を講じ、対外開放を広げながら外商投資を推し進めると希望を寄せた。