一定規模以上の製造企業、スタッフの復帰率が100%=保税区
写真・Sipa
「我々は休業せずに頑張ってきました。我が社は現在、100%の生産能力を回復させています。各方面が順調で、納期を遅延させなく、客からの追加注文も受けました」と半導体製造の後工程に携わる企業、米アムコアテクノロジー(Amkor Technology)の中国法人、安靠封装測試(上海)有限公司中華区総裁の曹持論氏は記者に伝えた。安靠はグローバルサプライチェーンを確保するため、今回突然発生した新型肺炎に立ち向かったという。
上海自由貿易試験区保税区管理局によると、26日まで、保税エリア内の企業のスタッフ復帰率は90.71%、通勤者数は61138人で、うち一定規模以上の製造企業は、全社員が復帰した。
安靠は中国半導体後工程業界の上位10社の1つであり、保税区内従業員数が一番多い製造企業でもある。中国国内では中芯国際、華虹などに半導体試験・検査サービスを提供するほか、アプルやサムソンなどのブランドの指定サプライヤーとしても有名。
集積回路産業があらゆる産業の発展に欠かせない基幹産業であるがゆえに、安靠のような業者は感染リスクが高まっても、製品の安定供給を確保してきた。「ウイルスは一面の鏡だと思います。保税区の応急対応力と、ビジネス環境に試練を与えました」と上海自由貿易試験区管理委員会副主任、保税区管理局副局長の陳彦峰氏は話した。保税エリア内の複数の企業が地域統括本部を設置し、ウイルス感染拡大の中でもサプライチェーンマネジメントをスムーズに行ってきた。
一方、半導体製造の後工程に必要なものは、まず洗浄剤である。保税区管理局、外高橋集団はエリア内の物流倉庫業者、鉄聯物流との連動で安靠に十分の洗浄剤供給を確保し、製品生産へ支援したという。
また、浦東政府よりサウジ基礎産業公社(SABIC)上海工場などの企業に約6.6億元(約104億円)の政策補助金が支給される予定があった。「大企業のキャッシュフローに問題が発生した場合、影響が中小企業にも及びます。こんな時こそ、企業を支援すべきだと思います」と陳氏は指摘した。