制度革新で活力を引き出す上海自由貿易試験区
4月17日、上海の「オンライン新経済」企業の代表の1つ、「盒馬鮮生」の上海浦東新区産業基地が着工し、2年後操業を開始する予定。「盒馬」の急速な成長に欠かせないのは上海自由貿易試験区がこの6年間実施してきた、100以上の革新的な制度だ。
「盒馬鮮生」店内の様子 写真・中国新聞網
2019年7月31日、中国の家電量販大手、「蘇寧易購」傘下のコンビニ、「蘇寧小店」は浦東初の「総合行業許可証」を取得し、開業の準備を整えた。この「許可証」は上海自由貿易試験区「一業一証」改革の成果という。従来、コンビニの開業に必要なライセンスは、食品安全、タバコ販売、医薬器械販売などの5種類があった。そして「一業一証」改革が実施された後、企業が「総合行業許可証」のライセンスだけでコンビニを開業できる。「『一業一証』は革新的な政務サービスです。各関係部門のプロセス・リエンジニアリングを通して、企業向けサービス向上という目標を達成しました」と浦東新区行政審査局長、企業サービスセンター主任の蒋紅軍氏。
「蘇寧小店」 写真・中国新聞網
上海自由貿易区は上海国際金融センター建設のコアエリアとして、金融業における多くの改革措置を打ち出してきた。決済サービスの利便化はその1つだ。2018年の輸入博をきっかけに、上海自由貿易区では外国人向けの「支付寶(アリペイ)海外版」がサービスを開始した。それに伴い、企業の越境決済利便化改革の推進も加速し始めた。3月5日、「臨港新片区における優良企業越境人民元決済利便化案」が発表され、新片区は越境決済利便化制度革新の重要な一歩を踏み出したという。
また、貿易の利便化も上海自由貿易試験区の改革の中心となる。4月13日、上海自由貿易区は「オフショア貿易」の産業サービスセンターを発足させた。取引を行う双方や貨物、物流が海外にあるが、契約達成と決済は上海自由貿易区において行われることはこの「オフショア貿易」の特徴だ。「上海自由貿易試験区は関連の財政サポート政策を打ち出し、『オフショア貿易』を行う企業の負担を軽減します」と上海自由貿易試験区管理委員会副主任の陳彦峰氏。
臨港新片区行政サービスセンター 写真・中国新聞網