上海、ネット活用のワンストップ公共サービスでビジネス環境を最適化
2019年5月17日、スマート都市ガバナンス「一網通弁」が実現している上海の「インターネット+政務サービス」モデルエリア・徐匯行政サービスセンターの様子。陳玉宇/人民図片
上海では、営業ライセンスをどれほどのスピードで取得できるのだろう?人民日報が伝えた。
インターネットを活用したワンストップ公共サービス「一網通弁」企業専用ページにアクセスし、店舗の不動産権利証、賃貸契約書、個人の身分情報などをアップすれば、全ての過程を外出して回ることなく、電子化された手続きを通して、通常1~2日でライセンスを取得することができる。
では、実際に手続きをしている時に、複雑な状況に直面した場合、どうすればいいのだろう?
主な業務を浙江省嘉興市で行っている呉さんは2020年末に、上海松江区のあるショッピングモールで店をオープンさせるために、資料をアップしている時に行き詰ってしまった。呉さんによると、「ウェブページでは、『不動産権利証の情報と賃貸契約書の情報が一致しない』と表示されていた。私の手元にあったのは、ショッピングモール全体の不動産権利証のコピーで、借りたのは1階にある1店舗のスペースだけ。『ショッピングモールの平面図を持って、所属する地域の行政サービスホールの窓口に行って、職員に確認してもらう必要がある』と言われた」という。
年が明けてから上海に行く予定だった呉さんは、「一網通弁」にもう一度アクセスした際、「省またぎの手続き」に関する説明を目にした。「そこには、私のようなケースは、『資料を松江区の手続き窓口に郵送し、手続き完了後、営業ライセンスが郵送されてくるのを待つことができる』と書かれていた」。そこで、呉さんは資料を全て入れて郵送し、そこに記されていた上海の住所に郵送した。
1月4日、松江区の「省またぎの手続き」の専用サービス窓口の職員が、手続きが完了した営業ライセンスを呉さんに郵送してくれた。「実際に上海に足を運ばなくても、営業ライセンスが家まで届いてくれた。次に上海に行った時には、すぐに店の準備に取り掛かることができる」と呉さん。
小規模のビジネスの手続きがオンラインで簡単にできたとしても、一定の規模の企業となると、ケースバイケースの対応が求められ、その手続きは複雑になるものだ。上海市市場監督管理局の登記・登録処の職員・施毅さんによると、「法人変更」だけでも、会社組織の枠組み、法人の会社内での職務など、さまざまな要素によって、提出する資料、審査のプロセス、作成されるテキストも異なる。「状況は千差万別で、オンラインで資料を提出するだけでは不十分で、オフラインで細かな手続きを行わなければならない」という。
2020年、上海の新規設立企業の数は41万7900社で、1日当たり1665社が新たに設立された計算になる。施さんは、「『一網通弁』は、フォーマット、基準化された多くのサービスのプロセスを最適化してくれた。しかし、企業の異なる必要に対応するためには、やはり人の手による処理が必要になる。そのような背景の下で、開設された政務サービスの『省またぎの手続き』は、非常に重要な役割を担っている」と説明する。
上海はマーケットエンティティ登記・登録の「省またぎの手続き」サービス体系を構築した。2020年12月31日から、申請者は上海に足を運ばなくても、全国一体化政務サービスプラットフォーム「省またぎの手続き」サービスの専用コーナー、または上海市の「一網通弁」の企業立ち上げページにある「省またぎの手続き」のコーナーにアクセスすれば、他の地域で企業設立・登録など13項目の手続きを行うことができる。オンラインで必要事項を入力し、必要に応じて資料を郵送すれば良く、いろんな所を行ったり来たりする必要は大幅に少なくなる。
上海で第一陣として開設された13項目の「省またぎの手続き」は、企業が運営を始めるに当たり、行わなければならない頻度の高い手続きばかりだ。施さんは、「プロジェクトは既にスタートした。そのプロセスを今後も最適化する。サービスの水準が向上し続けるにつれて、市場への促進的役割が一層目に見えるようになるだろう」と話す。
出典:「上海、ネット活用のワンストップ公共サービスでビジネス環境を最適化」(人民網日本語版)