産業が興る保税エリア 新しい業態・モデルで発展を加速=上海自由貿易試験区
写真・智慧自貿区
このほど、上海自由貿易試験区管理委員会より、2020年の上海自由貿易試験区・保税エリアの経営収入は3.5%増の2.32兆元、商品売上高は3%増の2.06兆元、輸出入総額は4.2%増の1.1072兆元に達することが伝えられた。去年、深刻なウイルス感染と複雑な世界経済情勢に直面し、保税エリアは絶えずにイノベーション・変化を求めてきた。エリアは「GOP計画」を発表し、新設多国籍企業地域統括会社12社を誘致し、グローバル資源統括機能を引き続き強化した。百済神州(BGNE)や馴鹿医療など業界を先駆けるバイオ医薬企業がエリアに進出し、高度な産業を牽引する役割が強化されている。保税エリアは在来原動力の転換加速を促進し、新しい業態・モデルで発展を加速させるという。
30年以上の発展を経て、地域統括会社経済は保税エリアの質の高い発展の強いエンジンとなってきた。地域統括会社経済の成長に伴い、保税エリアの産業レベルが向上し、中心的な機能が更に増えている。上海自由貿易試験区において実施された「GOP計画」に、3~5年で、貿易・投資・サプライチェーン・研究開発などの分野において、グローバル資源を集積させ、統括できる優秀な企業を育成し、5~10年で、グローバル運営のリーダーである企業を育成し、細分化された領域で世界をリードする地位を占め、全国ないし全世界においてモデルとしての役割を果たすとのことが盛り込まれた。
去年から、保税エリアの現代サービス業と戦略性新興産業は産業の活発化を牽引してきた。例えば、スマート製造サービス産業パークが上海特色産業パークとして認定されたことをきっかけに、ドイツ・イノベーション・テクノロジー・サービス・センターやスイス中小企業インキュベーターなどのプロジェクトが発足し、スマート製造産業チェーンの関連サービス業のレベルを向上させた。また、2020年の保税エリアの越境EC注文数は1270万以上に達し、取引金額は38億元に及ぶ。奥宝プロジェクトをはじめとする保税・非保税修理サービスが同時に展開されている。
注目に値することに、SABICや伊藤忠丸紅鉄鋼などを含む690社は去年、保税エリアへの投資を増やした。2020年の保税エリアの契約ベースの外資導入額は前年比13.7%増の54.6億ドルに、実行ベースの外資導入額は前年比14%増の26.1億ドルに達する。上海自由貿易試験区における税関特殊監督管理エリアとして、保税エリアの開放措置は外商投資を惹きつける重要な「磁力」である。
新たな質の高い発展の中で、保税エリアは特色と優位性を十分に活かし、シンボリックな改革をより多く打ち出し、世界中のトップ都市の中で位置づけを確立し、発展の新しい切り札をつくり、新たな成長の極を見つけ出す。