上海の国際金融センター建設が新たな段階に
10日に開幕した第13回陸家嘴フォーラムにおいて、龔正上海市長は上海の国際金融センター建設の新たな目標を提起し、「2025年までに、上海の国際金融センターとしての役割発揮を向上させ、全国経済の質の高い発展を後押しし、人民元建て金融資産の配置・リスク管理センターの位置づけを固め、グローバル資源統括の機能を強化し、2035年までに世界的な影響力をもつ国際金融センターになるとの目標の実現のためにしっかりとした土台づくりをする」と述べた。
写真・VCG(以下同様)
新たな金融開放の道を振り返ると、上海では、全国初の外資が過半出資した証券会社(野村ホールディングス傘下の野村東方国際、JPモルガン・チェース)、資産運用会社(クレディ・アグリコル傘下の匯華理財)、及び外資独資の保険会社(アリアンツ)が設立された。完備な要素を有する市場、各種金融機関を揃える「開放の高地」こそ、これらの企業が上海を選んだ理由。このほど、上海が発表した「意見」では、2025年まで、上海が資産運用分野において要素が集積し、完備な生態系をもつ国際的かつ総合的な開放型資産運用センターをつくり、アジア資産運用の重要なハブとしてグローバル資産運用センターの上位都市になるよう力を入れていくことが伝えられた。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は、上海が人民元建て資産の配置、リスク管理、フィンテック、優れたビジネス環境のモデルセンターと金融人材のセンターになり、更により競争力をもつ国際金融センターになると語った。
一方、上海は全国CO2排出権取引市場の発足を推進しており、中国人民銀行(中央銀行)の劉桂平副総裁によると、全国90%以上のグリーンボンドが上海で発行され、エコ業界の企業に向けた上場のための融資の60%以上が上海で行われた。「『CO2排出ピークアウト・カーボンニュートラル』を実現するには、テクノロジーと金融という両方のイノベーション創出を促進すべきだ」と中国工程院士、華能集団董事長の舒印彪氏が指摘した。
また、新たな発展構造という背景の下で、デジタルエコノミーが消費の需要と投資の活力を喚起する鍵となっている。現在、上海は消費・交通・医療・長江デルタ地域内の決算などの分野でデジタル人民元使用のモデルをつくり、金融のデジタル化というトレンドに対するこの都市の積極的な態度と洞察力を示した。