「1号」備案から見る自由貿易試験区づくりの道筋
写真・VCG
2013年9月29日、中国初の自由貿易試験区、中国(上海)自由貿易試験区が発足し、同日には「中国(上海)自由貿易試験区外商投資企業備案証明」が初めて発行され、この歴史的な日に立ち会った。
「1号」備案を授与されたのは中国の百視通とアメリカのマイクロソフトによる合弁会社である上海百家合信息技術発展有限公司。同社の設立は自由貿易試験区の「外資系企業によるゲーム・娯楽設備の生産・販売を許可する」という更なる対外開放政策の賜り物である。「この備案は1つの『窓』を開けてくれた。素晴らしいゲームを中国に導入できるとともに、国内の優秀な作品が海外に進出することも可能となった」と百家合のある責任者は語った。
8年間の発展を経て、百家合が立地した上海自由貿易試験区・保税エリアは数万社の外資系と対外貿易企業を集め、これらの企業は世界中220以上の国や地域との貿易関係を築いた。「自由貿易試験区が発足した前には、中国で外資による企業設立に審査が必要だった。上海自由貿易試験区は国際的なルールを参考とし、外商投資ネガティブリストと参入前国民待遇の管理モデルを模索し、リスト以外の投資分野に対して備案管理などの簡素化政策を実施した」と上海自由貿易試験区管理委員会保税区エリア管理局経済発展処の李暁紅処長は伝えた。
貿易分野の「単一窓口」、金融分野の自由貿易アカウント、政府監督・管理分野の「証照分離」など、300以上のイノベーション成果が上海自由貿易試験区で生まれ、全国に押し広められた。
中国開放の「扉」は決して閉じるわけがなく、より大きく開かれるだけだ。2020年1月1日より、「外商投資法」が実施され、外商投資企業の場合、法律に則って平等に国家による企業発展の支持政策を適用する。これまで、「1号」備案もその歴史的な使命を完成した。
そして「第13次5ヵ年計画」期間、全国では17の自由貿易試験区が新設され、計21ヵ所となり、中国の新しい発展への道筋を模索するという。