コンテナー年間取扱量の記録を刷新した上海港湾=12年連続世界一
関係者によると、上海港湾は2021年度のコンテナー取扱量が4700万TEUを突破し、12年連続で世界一となっているという。世界のどこの港湾にとっても、2021年は困難な一年であり、物流サプライチェーンの渋滞が緩和できないなか、なぜ上海の港はそのトレンドに逆らって2020年4350万TEUの取扱量を上回った上に、さらに一歩進んできたのか。
現有資源を活用
2021年12月23日、上海洋山港の「5G+L4」自動運転ヘビートラックは前倒して2021年度の4万TEUの運輸任務を完成した。まだ完全に商業化されていないスマート・ヘビートラックは多くのところですでにベテランの運転手より効率的である。
洋山港コンテナーデリバリーシステム建設の重要な部分となるスマート・ヘビートラックからは上海の港がレベルアップし、逆風にさらされながら前に進むことの一斑が見られる。上港グループ副会長方懐瑾氏は24時間稼働のスマート・へビートラックを使用すると、ピーク時に集中した作業を分散することができるため、東海大橋の交通量を平準化し、効率を上げていくと紹介した。
2021年、中国の輸出量が急増し、多くの商品が上海港湾を通して世界へ流れていくため、上海港湾はグローバルサプライチェーンの安定を確保する上で重要な役割を担っている。短時間で急増した需要を前に、すでにフル稼働してきた上海港湾はさらに自分の潜在能力を引き出し、自分の極限を突破しなければならない。このような状況を踏まえて、重大インフラ整備を加速し、現有の資源を活用するのは重要な手段の一つとなった。
上港グループの紹介によると、2021年、新型コロナ感染症がまだ収束していないなか、重要な役割を果たしている洋山第四期自動化埠頭は数回に渡ってブリッジクレーン5台、レールクレーン12台を取り入れた。それに、洋山第一期と第二期港湾の運営を担当している上港グループ盛東公司もこのほどホイールクレーン5台をうけ取れて、2021年年末のラストスパートのために原動力を注ぎ入れた。この他、伝統的な港湾の自動化改造などのプロジェクトが進んでおり、そして未来に向け、世界範囲での空き箱をよりスムーズに調達するための「上海港東北アジア空き箱調達運送センター」も急いで築かれていて、2022年の前半に完成することが見込まれるとした。
輻射範囲を拡大
2021年11月の頭、上海港海鉄連合運送公司は前倒して2021年の30万TEUの目標に達成し、前年比62%増である。
現在、上海芦潮港鉄道中央ステーションの海鉄連合運送(海運・鉄道連絡輸送)業務はすでに9省の27市と連携してきた。そのなか、蘇州、常州、湖州、長興、海安、無錫は毎日往来する定例循環車を配置し、南京、丹陽、重慶は週間定例運送車を配置しており、一日あたりの取扱量が1000TEU以上に維持されている。
上海港湾は長江デルタと長江を通して、内陸地域へ輻射して、広大な後背地を有している。コンテナーデリバリーシステム建設を加速し、資源調達の効率を改善し、輻射範囲を広めることを通して成長するのは上海港湾の長期計画であり、新型コロナウィルス感染症対策が常態化するという厳しい現実の中、チャンスを見据える重要な手がかりでもある。
海鉄連合運送のほかに、上海港湾は現地のサービスを前倒して隣接省市でも展開して、長江デルタにおける各港湾の協同的な発展を図っている。例えば、2021年3月江蘇省太倉港湾で成立した「上海港太倉サービスセンター」はプラットフォームの運営を通して、太倉港湾と上海港湾がデータを共有して、業務受理、定例船舶の運営などの多数のサービスを提供し、上海港湾と太倉港湾が連携して運営する効果が十分に浮かび上がってきた。
写真・VCG
効率を向上
上港グループ生産業務部の本部ビルに一枚の巨大スマートスクリーンがあり、各港湾の作業状況やこの先の作業計画がその画面に表示されている。2021年の前半、このスマートスクリーンとビッグデータのおかげで、洋山港の船舶計画は従来の48時間計画から72時間計画に伸びて、港湾の船舶作業手配の先見性を有効的に改善し、前線(岸の付近)資源と機械資源の利用率を引き上げた。
コロナ禍が発生した後使用されたこのスマートスクリーンは上海港湾のデジカル転換の重要な成果の一つで、感染症流行下でビッグデータを利用して港湾の作業潜在力を最大に発掘する鋭利な「武器」である。新型コロナウィルスが蔓延している今、欧米の港湾では渋滞が頻発しているが、上海港湾はデジタル転換の加速によって、効率を向上させ、いつでも効率的な作業を行っており、生産記録を数回も刷新した。
関係者によると、2021年、上港グループは科学技術情報部を特別に成立し、グループ全体のデータを総合管理し、グループのデジタル化への転換をリードする。また、2021年6月、上港グループスーパーリモート制御・指揮センターのプロジェクトは始動し、第五代の有線ネットワーク技術を使って港湾設備へのリアルタイムリモート制御を実現した。この有線ネットワーク技術は無線の5Gネットに比べれば、外界から受けた影響も小さくて、安定性と信頼性が高い。第五代の有線ネットワーク技術は、ビッグデータ、インテリジェント分析、ロボット学習等の新しい技術が港湾で応用されるために無限な可能性をもたらし、世界最大規模の港湾のデジカル化への転換をさらに加速させ、港湾と都市の連携をよりよく実現し、上海の都市デジカル化への転換に助力していくという。