開放は現代中国の鮮明な特徴である。浦東地区は中国の対外開放の窓口として、30年余りにわたり全方位的で多層的な開放構造によって飛躍的な発展を遂げ、世界中で注目される成績を収めてきた。主要経済指標が「1兆元の規模」を突破し、2021年の地域生産総額は1兆5400億元に、一定の規模以上の工業生産総額は1兆2300億元に、対外貿易輸出入総額は2兆3800億元に、商品販売総額は5兆6500億元に達した。開放の機能指標は「集積・けん引」の役割を示している。現在、浦東地域の多国籍企業本部は上海市の47%を占め、実行ベース外資導入額は47.5%、外資の研究開発センターは51%、対外貿易輸出入総額は60%、コンテナの取扱量は90%、オフショア貿易収支額が90%以上を占めている。

ハイレベルな開放の中で改革の最前線陣地を構築

2013年9月、浦東は中国で初めて自由貿易試験区の建設をスタートさせ、オフショア貿易の発展を促進するための中国初の「オフショア通」プラットフォームを打ち出したり、データが規範に従い、安全的に流通する上海データ取引所を設立したり、新薬の産業化を加速させるバイオ医薬品研究開発用物品の入境利便化のパイロットスポットを立ち上げたりし、一連の重要な改革措置を実施した。

ここ10年、浦東は累計で約600億ドルの外資を導入し、5万5000社の企業を新規設立して、「初の立ち上げ」「1号店」「第一陣」などは著しい効果を果たし、新産業、新業態、新モデルが次々と生まれた。

現在、浦東は浦東総合改革パイロット活動を推進しており、国は総合事項承認リストの形で浦東に一連の改革の自主権を与える。また、全国的な大口商品在庫リスト登録センター、「シルクロード電子商取引」協力先行区などの複数の重要な機能的プラットフォームを打ち出し、一連の制度型の開放措置を実施し、より多くの国内外企業を浦東で発展させていく。

ハイレベルの開放の中で科学技術革新の策源地を構築

浦東は上海が国際科学技術革新中心地のコアエリアである。浦東は科学技術が第一の生産力、人材が第一の資源、革新が第一の原動力であることを貫き、国際的、開放的で融合する科学技術革新のエコロジーの構築に力を入れる。

世界一流の大科学施設のクラスターを積極的に建設する。浦東で建設済み、建設中の国家レベルの大科学施設は10カ所に達し、国内外の科学者や科学技術革新企業が「上海光源」などの施設を利用して多くの科学的発見や重大な産業の新しい成果を遂げた。

外資の研究開発センターの世界のイノベーション要素を調達する優位性の発揮を後押しする。浦東は豊かな人的資源と産業革新シーンに依拠し、グローバルな科学技術革新ネットワークへの溶け込みを加速し、グローバルな研究開発センターへの転換に拍車をかける。特に、今は大企業開放革新センター計画を推進している。Basf、シーメンス、Roche、マイクロソフト、IBM、GEなど47社が浦東に大企業開放革新センターを設立することをサポートし、大・中・小企業が相互に融通し、開放的で共有するイノベーションネットワークを構築している。

3つの先導産業が世界レベルの産業クラスターへの成長を促進する。集積回路産業の規模は約1900億元に達し、全市の約70%を占めている。バイオ医薬産業の規模は3200億元に達し、全市の約40%を占め、累計で全国の15%のオリジナル新薬と10%の医療機械を生産している。人工知能産業の規模は約1300億元に達し、ここ三年間で年平均30%近く成長した。

同時に、浦東はデジタル経済、メタバースなどの新たな産業発展分野で積極的に配置する。

ハイレベルの開放の中で都市機能が抜群する地域を構築

機能主導、特色鮮明という地域発展の方針を持つ浦東で、陸家嘴金融城、張江科学城、保税区貿易城、金橋智造城、リゾート観光城、臨港未来城など、複数の産業・都市が融合し、機能が集積したテーマ都市が形成された。

現在、浦東はこれらの重点エリアに依拠し、グローバル資源の配置、科学技術革新の策源、ハイエンド産業のけん引、開放のターミナルと玄関口という「4つの機能」を絶えずに強化しており、より開放的で、より魅力的な現代化都市を建設している。

今後3年間、100社の登録済みの金融機関、100社の多国籍企業の地域本部、100社の大企業の開放イノベーションセンターなどの機能主体が増える見込み。

また、都市の公共サービスにおいては、「15分徐行到着」を実現し、160キロの軌道交通を整え、上海大歌劇院（オペラハウス）、上海博物館東館などの新しい都市文化ランドマークを新規建設する。エコスペースにおいては、10平方キロメートル以上の大型緑地を新たに作り、都市公園は200箇所に達する。

ハイレベルの開放の中で外国人投資家の第一選択地を構築

浦東は市場化、法治化、国際化のビジネス環境の構築に取り組み、グローバル企業が浦東で投資し、発展するために最もよいサービスを提供している。浦東は規範化された法的保障に取り組み、市場参入、知的財産権保護、化粧品の革新的管理などの分野で13の浦東新区法規を公表し、市場の活力を効果的に引き出し、新興産業の発展を促進してきた。今後、企業のニーズに合わせ、立法プロジェクトを常に推進し、各種の市場主体に安定的で見通しのよい投資環境を提供する。

浦東はスマートな政務サービに取り組み、「一網通弁（オンラインで全プロセス取り扱い）」はスマート審査、企業専用ホームページ、オンライン代理取り扱いなどの新たな取り扱い方を通じて、手続きをネットショッピングのように便利にした。「一網統管（オンラインで完全管理）」は「都市ブレーン」を作ることによって、都市の管理を刺繡のように精巧にし、便利で効率的、安全で秩序あるサービス環境を整えた。

浦東は便利な人材サービスに取り組み、国際人材発展先導区を作っており、ビザ、就労、永住居留、居留許可などの分野でより多くの革新的な措置を打ち出し、世界各国の人材が浦東に集まり、浦東で才能を発揮できるように一流の創新創業の環境を作っていく。