設立10周年に実り多い成果を収め、更なる難関テストの対応に満を持す=上海自由貿易試験区
全国初の自由貿易試験区である中国(上海)自由貿易試験区(以下「上海自由貿易試験区」)がまもなく「10歳」になる。10年の開拓と努力によって、上海自由貿易試験区は土台を築き、柱を立てることから改革システムの集積を強化し、開放制度システムを整えることに至り、数多くの象徴的な成果が湧いてきている。上海は自由貿易試験区向上戦略の実施を契機に、自主的計画とシステム設計を強化し、更なる難関テストを展開し、ハイレベルな開放を拡大するために道を切り開き、新たな発展パターンを構築するために道を探り、質の高い発展を促進するためにエネルギーを与える。
関係筋によると、中国国務院が7回にわたって発表した全国向けの自由貿易試験区複製・普及制度革新経験のうち、半分近くが上海自由貿易試験区が初めて実施した、あるいは同時に先行試験をしたものである。
上海自由貿易試験区及び臨港新片区の制度革新成果は主に4つの面に反映されている。第一に、国際のハイスタンダード経済貿易ルールに見合わせ、ハイレベルな制度型開放を推進する。第二に、要素市場化改革方向を堅持し、世界資源の要素配置能力を強化する。第三に、政府自身の改革を強化し、ガバナンス現代化のレベルを高める。第四に、産業発展に必要なイノベーション制度の供給に焦点を当て、質の高い発展の新たな原動力を強化する。
データによると、上海自由貿易試験区が発足してから2022年末までに、新設企業は累計8万4000社で、同地域の前20年間の2.35倍で、新設外資プロジェクトは累計1万4285件、外資登録資本金は累計1862億9800万ドルとなっている。2022年末までに、上海自由貿易試験区の実行ベースの外資導入額は累計586億ドルに達し、同期間の上海市の総額の約30%を占めている。
上海自由貿易試験区の建設は市場の活力と原動力を効果的に引き出し、先導する役割が際立ち、地域発展のエネルギーレベルが全面的に上がり、国家戦略に貢献する能力が著しく強まった。
これから、上海は自由貿易試験区向上戦略の実施に力を入れ、ハイレベルな対外開放についての新たな探索を積極的に展開し、より多くの先導的で象徴的な制度革新成果を形成し、より多くのハイレベルな開放プラットフォームを構築し、現代産業発展の新たな原動力を強化し、ハイレベルな開放によって改革と発展を促進する。この戦略を実施するには、「向上」がキーポイントとなっている。上海の実際を踏まえ、自由貿易試験区は4つの面から能力を高める。
第一は国際ルールとマッチングする能力の向上に力を入れること。CPTPP、DEPAなどの国際的なハイスタンダードの経済貿易ルールと全面的にマッチングさせ、貿易の自由と利便性、外資市場参入の拡大、データの越境移転、入国後規則の貫通などの重点分野の先行試験に焦点を当て、テストサンプルと試験内容を絶えず充実させ、各種類の経営主体の投資と起業のために優れる環境を作る。
第二は世界要素資源の配置能力の向上に力を入れること。世界のハイエンド要素と新型要素の自由貿易試験区での安全で円滑な移動の促進を改革方向とし、サービス業のハイレベルな開放の促進、経営主体のグローバル運営レベルの向上、開放的で便利な人材政策の実施などを中心に全体設計を行い、国内と国際といった二つの市場、2種類の資源をよりよく利用する。
第三はハイエンド産業の先導能力の向上に力を入れること。集積回路、バイオ医薬、人工知能、民間航空などの重点産業の発展における難点、停滞点を見据え、全産業チェーンの融合とアップグレードの支援、科学技術イノベーションへのサポートと保障の強化、応用テストシーンの開放などの分野で制度の集成革新を強化し、世界レベルのフロンティア産業クラスターを作ることに助力する。
第四は臨港新片区の差異化探索能力の向上に力を入れること。「5自由1便利(投資自由、貿易自由、資金自由、輸送自由、雇用自由と情報の便利的な接続)」をコアとする制度型開放システム建設の深化をめぐり、国家戦略のニーズ、経営主体のニーズ、地域の位置づけの特徴に合致した改革・革新措置を打ち出し、国際市場でより大きな影響力と競争力をもつ特殊な経済機能エリアを作り上げる。