国際高水準経済貿易規則を全面的に結びつけることで中国(上海)自由貿易試験区のハイレベルな制度型開放を推進
中国国務院はこのほど、「国際高水準経済貿易規則を全面的に結びつけることで中国(上海)自由貿易試験区のハイレベルな制度型開放を推進する全体案」(以下は「全体案」)を発表した。「全体案」は7つの方面に焦点を当て、80カ条の措置を打ち出し、高い水準の規則を積極的に全面的に結びつけ、ストレステストの強度をさらに高め、国内の関連分野の改革を深化させ、ハイレベルな制度型開放を推進する。
第一に、サービス貿易の開放拡大を加速させること。金融、電気通信などの重点分野のハイレベルな開放を推進し、越境投資・融資の利便性を向上し、多国籍企業の資金管理センターの設立を支援し、電気通信業務のサービスの質を引き上げ、サービス業の制度型開放を先導する。
第二に、貨物貿易の自由化と利便化のレベルを引き上げること。修理を目的とした入国貨物、商用暗号製品、医療器械など特定貨物の輸入管理を最適化・改善させ、国内検疫手続きの簡素化、事前裁定申請主体の拡大などの利便化措置を試験的に実施し、科学的で便利で効率的な管理モデルの構築に力を入れる。
第三には、高い水準のデジタル貿易規則を率先して実施すること。上海自由貿易試験区が率先して重要データリストの作成を支援し、合法的で安全で便利なデータ越境流動メカニズムの確立を模索し、デジタル技術によるエネルギー付与を加速させ、電子書類の応用を促進し、データの開放と共有を推進し、デジタル貿易発展の新たな優位性を構築する。
第四に、知的財産権の保護を強化すること。商標、特許、地理的表示などの保護にさらに力を入れ、行政監督管理と司法保護を一層強化し、知的財産権の保護能力を全面的に高める。
第五に、政府調達分野の改革を推進すること。国際規則につなげ、調達手順をさらに最適化させ、調達管理を改善し、調達監督を強化し、透明で規範化した、科学的で厳密な政府調達管理システムを構築する。
第六に、「入国後」の管理制度改革を促進すること。国有企業の改革を深化させ、労働者の権益保護を強化し、グリーン・低炭素分野での国際協力をサポートし、環境にやさしい製品とサービスの輸出入を奨励し、公平で透明で予測可能な発展環境を作る。
第七に、リスク予防・抑制システムの建設を強化すること。管理監督の規則を改善し、管理監督の方法を革新し、権利と責任が明確で、公平で公正、公開で透明、シンプルで効率的な管理監督システムを健全化し、全プロセスにわたる管理監督を推進する。
今年は上海自由貿易試験区設立10周年。ここ10年間、上海市は党中央の政策決定と配置を断固として実行し、投資、貿易などの分野における制度型開放において積極的な成果を収めてきた。今回の「全体案」の発表は、党中央が上海に与えるもう一つの光栄たる使命であり、上海自由貿易試験区がハイレベルな対外開放を一層深化させるために方向を明確にしたのである。上海市は次の3つの面から「全体案」を実行していく。
まずは、全面的な結びつけを堅持し、改革開放のシステム性を高めること。今回の「全体案」には、標準規則、規制を結びつけることで既存の関連規定を突破する改革措置がある一方、管理、標準を結びつけることでプログラムの最適化、情報の公開、標準制定など具体的な措置を打ち出した。
次に、高い基準を堅持し、改革開放の難関攻略戦をしっかりと戦うこと。今回の「全体案」は自由貿易試験区の制度革新の成果を踏まえ、「国境近辺」管理制度の改革と「入国後」管理制度の改革に対し、より高い基準を要求している。
最後に、システム統合を堅持し、改革開放の成果取得を確保すること。「全体案」の実施はシステム的なプロジェクトであるため、上海市は革新と機能育成を総合的に考慮し、部門、分野、業種を越えた総合的調整を強化し、そして発展と安全を総合的に考慮し、新たな技術をサポートとして管理監督の効能をさらに高め、効率と規範を総合的に考慮し、貿易・投資がより便利で、行政効率がより高く、政府サービスがより規範的で、法治システムがより整った国際一流のビジネス環境を作ることに取り組んでいく。