バイオ製薬大手アストラゼネカ、上海を5番目のグローバル戦略センターに
中国市場はここ数年ずっと世界発展の重要なエンジンであり、その重要性はますます顕在化している。26日に開催された「2024上海バイオ医薬産業国際化発展大会」で、世界バイオ製薬大手アストラゼネカは上海を5番目のグローバル戦略センターにすることを正式に発表した。中国上海は同社のイギリスのケンブリッジ、アメリカのボストン、アメリカのゲイザースバーグ、スウェーデンのヨーテボリの4つの研究開発を主とする戦略センターに加え、研究開発、商業及び生産運営を一体とする世界戦略センターとなり、アストラゼネカの世界戦略、研究開発及び長期発展の重要な戦略拠点となる。
また、アストラゼネカは上海を細胞治療分野の重要な研究開発拠点とし、中国イノベーションパートナーと共に同分野での幅広い協力を積極的に推進していく。
アストラゼネカの世界最高経営責任者である Pascal Soriot 氏は、「中国は世界のヘルスケア業界で重要な役割を果たしており、イノベーションの面で先頭に立っているだけでなく、重要な薬物の世界的な研究開発と生産においても重要な役を演じています。アストラゼネカにとって、中国市場は極めて重要です。だからこそ、我々は上海を5番目のグローバル戦略センターに格上げしました。共同で科学領域を開拓し、世界により良い薬をもたらすためです」と示した。
昨年、アストラゼネカが中国に進出して30周年を迎えた。1993年以来、アストラゼネカは「患者本位」をモットーに薬物の研究開発、製造・運営、ビジネスモデルなどの分野でイノベーションと持続可能な発展を推進してきた。ここ30年間、アストラゼネカは一貫して中国の患者が切実に必要とされている治療分野に焦点を当てており、すでに約40種の革新的医薬品を中国に持ち込んだ。アストラゼネカ中国本部及びグローバル研究開発中国センターは上海にあり、北京市、広州市、杭州市、成都市、青島市にも地域本部を設立し、また無錫市、泰州市、青島市にグローバル生産供給拠点を設立し、現在約80のグローバル市場に良質な薬品を送り出している。
ここ数年、アストラゼネカは中国市場に投資を拡大し続け、研究開発への投資も倍増し、研究開発員の規模も大幅に拡大してきた。また、アストラゼネカは中国本土のバイオテクノロジー企業との協力を持続的に強化し、中国及び上海の医薬エコロジーの更なる改善を促進し、中国本土のイノベーションの実際応用と海外進出を推し進めた。
中国の現代医薬産業の発祥地である上海はバイオ医薬品の発展に重点を置いて以来、産業規模が急速に成長し、イノベーション能力が著しく向上している。特に産業環境の整備においては、ここ数年、上海はバイオ医薬産業の革新策源、重点地域の発展、生態環境の建設、先導企業の育成を中心に、多層的な産業政策を打ち出してきた。そして、計算生物学、細胞治療、遺伝子治療、合成生物、医療ロボットなどの新しい分野に焦点を当てて発展傾向を検討し、ニッチな分野3カ年行動案を策定し、関連分野が飛躍的な発展を遂げるように取り組んできた。
人材が集まり、科学研究の蓄積が深く、しっかりとした産業基盤とサプライチェーンが整っており、イノベーション・研究開発、臨床転化、市場参入、産業の海外進出の全ライフサイクルをカバーする上海はより多くの多国籍製薬企業を引きつけている。
アストラゼネカのグローバル事業開拓上級副総裁Shaun Grady氏は、上海を5番目のグローバル戦略センターにするのは、中国の巨大なイノベーション能力、中国本土企業の研究開発における頗る活力を見通したからだと言った。
同大会で、上海はこれから薬品監督管理、医薬産業のビジネス環境などの面でイノベーションを強化し、サービスメカニズムを最適化し、制度改革を深化させ、そして効率的な監督管理をもってバイオ医薬産業のイノベーション発展を促進し、バイオ医薬の地域的な発展「高地」の構築を支援することが明らかにされた。
「上海は中国ひいては世界のハイテク産業の重要な集結地であり、我々はここに引き続き投資し、配置を拡大し、世界の健康分野の持続可能な発展を促進することを期待しています」とPascal Soriot 氏は話した。