中国初の外資系企業標準化協力プラットフォームが上海に設立
上海は多国籍企業の中国への投資の第一選択地であり、7万社の外資系企業の寄与額が市の総生産(GDP)の四分の一以上を占めている。昨年、上海市には6017社の外資系企業が新設され、多国籍企業の地域本社と外資系研究開発センターの総数はそれぞれ956社と561社に達した。
中国国内で生産・運営・発展を進める外資系企業にとって、標準化作業へのサービスと支援が急な需要となっている。標準の制度型開放をよりよく促進するため、上海市市場監督管理局、市発展改革委員会、市商務委員会は最近「上海市の外資系企業の標準化関連活動への参加へのさらなる支援に関する若干措置」(以下、「若干措置」と略称)を共同で発表した。同時に、中国初の外資系企業標準化協力プラットフォームは上海で設立された。
「若干措置」では、計9つの条項が提案されており、標準の制度型開放の着実な推進、標準制定の公開性と透明性の向上を目的とし、プラットフォームの建設、標準の制定、標準化サービスなど若干の措置が含まれている。
「若干措置」の重要な一部分として、中国初の外資系企業標準化協力プラットフォームである上海市の外資系企業標準化協力プラットフォームが設立された。上海市市場監督管理局の王益洋副局長は、「標準化政策に対する不慣れ、参加経路の理解不足、標準情報を十分に入手できないことなど、外資系企業から報告された問題に対処するため、プラットフォームはワンストップサービスの提供に取り組んでいます。例えば、外資系企業が標準情報を容易に取得できるよう、国家標準、業界標準、地方標準などの各種の標準の立案・募集、意見募集、情報配布を定期的に集約し提供し、多言語照会サービスを模索し展開します。また、標準化に関する政策や法規を定期的に集約し、外資系企業の生産や運営に緊密に関連する主要分野の標準の普及活動も行います」と紹介した。
さらに、「若干措置」では、外資系企業が各レベルの標準委員会への参加を支持することが提案されている。外資系企業は標準委員会へ標準の新規立案について提案することができ、また標準委員会を通じて標準の起草への参加を申請し、より深く標準化関連活動に関与することができる。
「若干措置」は公平性・公開性を明確に強調し、外資系企業が標準制定に参加することを奨励する。上海は外資系企業がその海外における本社が国際標準資源での優位性と架け橋の役割を果たし、内資系企業と協力して国際標準の提案を出し、標準の研究と制定に参加することを奨励する。同時に、外資系企業が関心を持つ主要分野に焦点を当て、国家標準のリリースリストと研究・制定リストを定期的に収集し提供することで、外資系企業が国家標準情報を取得し、意見の募集や標準の起草に参加するための便宜を提供する。上海はまた、地方標準の制定過程の情報の全公開を推進し、外資系企業が地方標準の立案、意見募集、標準の実施などの全プロセスで意見やアドバスを提案することを奨励する。
「若干措置」はまた、外資系企業が業界発展の重要な段階や鍵となる技術に焦点を当て、サプライチェーンの主要企業としての優位性を生かし、独自の企業標準を制定するか他の企業と共同で標準を制定し、革新的な技術や先進的な管理方法、サービスモデルを標準化し、産業チェーンの川上・川下企業間のビジネスコラボレーションを促進することを奨励す る。
ボッシュ(中国)投資有限公司の品質管理・保証を担当する中国地区の苗麟副総裁は、スマートコネクテッドカーなど多くの分野で中国市場が最も高い浸透率があるため、ドイツ本社もボッシュ中国に、中国国内の標準制定に携わえ、これらの標準を世界へ輸出していくと期待を表した。ボッシュ中国が現在、道路車両のネットワークと情報セキュリティ、道路車両のソフトウェアアップグレード、自動車ソフトウェアの品質管理に関連する標準の制定と検討に積極的に参加していることを同氏は明らかにした。
「中国が現在、ますます多くの産業が世界最先端の技術レベルに達しているか、そうなるところであるが、関連する国際標準がまだ部分的に欠けているため、関連する中国の標準化機関が国際標準機関との連携を強化し、国際標準の制定を積極的に申請し、海外の標準化機関や企業を招待し標準制定に共同参加することを奨励する」と苗麟氏は提案した。