上海税関がRCEP協定の着実な実施で企業支援を推進
現在、世界で最も人口が多く、経済規模が大きく、発展潜力が大きい自由貿易協定である地域的な包括的経済連携(RCEP)協定は、2022年1月1日に発効して以来、地域内の資源と要素の流動や開放的な協力を大いに促進してきた。特に昨年6月2日にRCEPが15の署名国で全面的に発効し、新たな実施段階に入ってからは、もうすぐ1周年を迎え、その恩恵はさらに広がっている。
5月30日、上海税関は上海市商務委員会や保税区管理局などの部門と連携し、外高橋保税区でRCEP政策恩恵最大化の広報・実施会議を開催した。参加した企業12社に「RCEP政策恩恵パッケージ」を配布し、企業が政策をさらに活用できるように支援し、RCEP協定の着実な実施を促進した。
「RCEP政策恩恵パッケージ」は、上海税関の「スマート税関」のフレームワークの下で、企業単位でデータ分析・統合を行い、企業の恩恵利用率をさらに向上させることを目的とするものである。RCEP関連の政策が含まれているだけでなく、企業の全体的なRCEP政策恩恵利用率、既に恩恵を享受している商品の恩恵利用率、未享受商品の状況が直感的に表示され、具体的なアドバイスも丁寧に付けられている。上海税関は、企業がRCEP協定に基づく関税優遇政策を享受できるようにプロセスを最適化し、詳細なガイダンスを提供することに注力している。
昨年、上海税関は国際貿易プラットフォームにRCEP関税減免政策の享受に関する機能モジュールを開設し、税関申告書の商品を単位としてRCEP非恩恵データの共有を実現した。保税区の税関はこれに基づき、100社の企業を対象に大規模な調査を行い、RCEPの特別サービス窓口を設置して企業ごとに指導・サービスを提供し、重点企業に政策を直接届けることで、良好な成果を上げた。
今年4月30日時点で、上海税関区の恩恵を享受した輸出入総額は1387億9000万元に達したという。輸入に関しては、上海税関が2780社の企業にRCEP優遇政策を利用するように指導した結果、総額712億2000万元の輸入が行われ、関税減免総額が17億元に達し、恩恵を享受した企業数、貨物価値、関税減免額のいずれも全国首位を維持している。輸出に関しては、企業が申請したRCEP原産地証明書が合計19万件で、関連貨物の総価値額が675億7000万元に上った。
上海税関は次のように表明している。今後、税関総署の統一的な指示の下、「単一窓口」申告システムでの恩恵情報の自動通知を模索しながら実現することで、企業がRCEP協定に基づく政策恩恵の状況をより良く把握できるように支援する。また、「大衆点評」の公式アカウントプラットフォームを通じ、「恩恵パッケージ」をより多くの企業に届け、恩恵を享受できる企業の規模を拡大し、RCEP協定の質の高い実施を推進していく。