全区の経済概況
写真・VCG
中国(上海)自由貿易試験区は、中国政府によって上海市に設立された自由貿易区であり、浦東新区に位置している。2013年9月29日に中国(上海)自由貿易試験区は正式に開設され、上海市外高橋保税区、外高橋保税物流パーク、洋山保税港区、上海浦東空港総合保税区などの4つの税関特別監督管理区域を含み、面積が28.78平方キロメートルであった。2014年12月28日、全国人民代表大会常務委員会より授権され、国務院の承認を経て中国(上海)自由貿易試験区は陸家嘴金融エリア、金橋経済技術開発区張江科学城へと範囲を拡大され、総面積は120.72平方キロメートルに達した。
2018年、上海自由貿易試験区の新設企業が5.7万社を超え、その数は同地域前の20年間の1.6倍となった。新設外資系企業が1万社以上で、企業全体に占める割合は発足当初の5%から今の約20%まで上昇した。海外投資管理の形式は、審査許可から登録管理へ変更され、手続きがかかる時間は3か月以上から3日まで短縮された。海外投資プロジェクト計2278件が成立、自由貿易試験区発足前の4倍近くとなった。
2018年9月まで、商業銀行、財務会社、証券会社計56社は自由貿易アカウント管理システムに登録し、71666ものアカウントがあった。それらのアカウントを通して、外貨海外融資の総額が1.3万億人民元に達した。また、人民元越境決済や外貨管理の制度革新が深まってきた。
上海自由貿易試験区の面積は浦東の1/10、上海の1/50しか占めていないわりに、浦東の3/4、上海の1/4の総生産、浦東の約70%、上海の約40%の対外貿易輸出入額を占めた。
データによると、上海自由貿易試験区が発足してから2022年末までに、新設企業は累計8万4000社で、同地域の前20年間の2.35倍で、新設外資プロジェクトは累計1万4285件、外資登録資本金は累計1862億9800万ドルとなっている。2022年末までに、上海自由貿易試験区の実行ベースの外資導入額は累計586億ドルに達し、同期間の上海市の総額の約30%を占めている。
2023年、上海自由貿易試験区は設立10周年を迎えた。10年の開拓と努力によって、上海自由貿易試験区は土台を築き、柱を立てることから改革システムの集積を強化し、開放制度システムを整えることに至り、数多くの象徴的な成果が湧いてきた。上海は自由貿易試験区向上戦略の実施を契機に、自主的計画とシステム設計を強化し、更なる難関テストを展開し、ハイレベルな開放を拡大するために道を切り開き、新たな発展パターンを構築するために道を探り、質の高い発展を促進するためにエネルギーを与える。これから、上海自由貿易試験区は「先導区」の枠組のもとで、制度型開放を模索する中でシステム的集積の、協同で効率的な新たな発展パターンに融け込んでいく。