上海自由貿易試験区が金融開放を拡大:アリアンツが中国初の完全外資系保険資産マネージャーを設立
2020年初頭、アリアンツ(中国)保険控股有限公司が浦東に開業し、中国初の完全外資系保険持株会社となった。アリアンツ(中国)保険控股有限公司の設立は、上海自由貿易試験区が金融サービス業の開放を徹底的に推進した成果と中国金融業の対外開放における重要な出来事であり、国際金融センターとしての上海のエネルギーレベルと競争力をさらに高めたとともに、中国金融の対外開放における重要な一里塚ともなった。
(写真・ 上海自由貿易試験区)
アリアンツSEは保険と資産運用ソリューションを世界中に提供する世界有数の金融グループで、142,000人以上の従業員を有し、80以上の国や地域で9,200万人以上の顧客にサービスをお届けしている。アリアンツは、損害保険業界では世界トップ3、生命保険・医療保険業界では世界トップ5、資産運用業界では世界トップ5に入っている。
当時の金融業界における外資比率の制限を受けて、1999年1月にアリアンツSEと中信信託有限公司の合弁会社として中徳アリアンツ生命保険有限公司は設立された。同社は上海浦東に本社を置き、上海、広東省、浙江省に11の省級支店を設立し、40近い都市で事業を展開している。
上海自由貿易試験区は近年、金融サービス業界での試みと躍進を推し進め続け、より質の高い外資系金融機関の進出を呼び寄せている。アリアンツSEはこれに迅速に対応し、2018年4月に上海市政府に、中国に全額出資の保険持株会社を設立する意向を正式に表明した。同年5月に、上海市政府はこの意向を金融業の対外開放プロジェクト第1陣のリストに盛り込み、国務院と中国銀行保険監督管理委員会に報告した。7月、アリアンツSEは持株会社設立の申請を中国銀行保険監督管理委員会に正式に提出し、11月23日に設立の正式認可を受けた。約1年にわたる準備作業を経て、アリアンツ(中国)保険控股有限公司(以下「アリアンツ中国保険控股」)は2019年11月、中国銀行保険監督管理委員会から開業認可を受け、登記を完了した。
2021年11月、中徳アリアンツ生命保険有限公司(以下、「中徳アリアンツ生命」)は、中国銀行保険監督管理委員会上海監督局より、中信信託有限公司が保有する中徳アリアンツ生命の株式49%をアリアンツ中国保険控股に譲渡することを承認する文書を受領したと発表した。譲渡後、アリアンツ中国保険控股は中徳アリアンツ生命の持分の100%を保有し、中徳アリアンツ生命は中国初の合弁会社から完全外資系保険資産会社に転換された会社となる。
(写真・ 上海自由貿易試験区)
アリアンツ(中国)保険控股有限公司が、中国初の完全外資系保険持株会社となり、また、中徳アリアンツ生命が、合弁会社から完全外資系保険資産会社に転換された会社としとなることは、上海自由貿易試験区が対外開放をさらに拡大するための画期的な大型外資プロジェクトであり、中国の金融産業の対外開放におけるもう一つの重要な記念すべきことでもある。これらはアリアンツSEが中国市場でより大きな役割を果たすことを促進すると同時に、他の外国投資プロジェクトの立ち上げと推進のための積極的なけん引と手本を提供し、国際金融センターとしての上海のエネルギーレベルと競争力をさらに高めることにつながる。