上海自由貿易試験区がデータ越境移転サービスセンター設立、企業の海外進出を後押し
最近、「中国(上海)自由貿易試験区及び臨港新エリアデータ越境移転管理リスト(ネガティブリスト)(2024年版)」(以下は「ネガティブリスト」)が正式に公表された。金融、海運、商業の3分野のデータを対象とする同リストの公表は、上海がデータの越境移転の利便性を促進する改革において、重要な一歩を踏み出したことを示している。
「ネガティブリスト」の実施を加速させ、企業データの越境移転に対応するため、2月13日午前、外高橋保税区において、上海自由貿易試験区データ越境移転サービスセンターの授与式ならびに第1回「ネガティブリスト」の政策解説が行われた。
上海自由貿易試験区データ越境移転サービスセンターが設立された。(写真・浦東発布)
サービスセンターの設立は、上海自由貿易試験区が2025年に高水準の制度型開放を深化させるために打ち出した取り組みである。これは同時に、データ越境移転ネガティブリスト導入後、上海市初の政策解説と指導でもあり、関連分野の企業のデータ越境移転ニーズとサービスニーズにタイムリーに応え、政策の速やかな実施と「1件目事例」の達成に良好な基礎を築いた。
政策解説会議では、上海市中央ネット安全と情報化委員会弁公室、上海市情報セキュリティ評価・認証センター、数風科技は、「ネガティブリスト」及び関連の管理方法、実施ガイドラインを解説し、政策利用要件、適用範囲、適用のビジネスシーン、データレベルなどの詳細を紹介した。また、Q&A形式で企業が懸念している問題について説明・ガイダンスを行い、企業の安全かつ整然としたデータ越境移転にサポートを提供する。
上海市浦東新区データ越境移転利便化サービス改革専門家チームも設立された。(写真・浦東発布)
政策解説によると、今回発表された「ネガティブリスト」には5つの主な特徴がある。 第一に、シーンの定義を明らかにすること。「シーン名」が前面に記載されているため、企業がシーンに直接対応し、適用しやすい。第二に、重要なデータの特徴を絞り込み、企業が重要なデータを正確に特定できるようにしたこと。第三に、一般的な越境移転の適用閾値を突破すること。例えば、商業分野の会員管理シーンにおける機密個人情報の越境移転セキュリティ評価の閾値を1万から100万に引き上げ、企業のデータ越境移転のコンプライアンスコストを効果的に削減する。第四に、「先に使用し、後で報告する」という原則を明確にしたこと。参入メカニズムを設けず、企業はネガティブリストを使用した日から15営業日以内に、ネガティブリストを使用するための資料を現地のデータ越境移転サービスセンターに提出するだけで、越境移転を行うことができる。第五に、ネガティブリストの相互承認と利用を検討すること。上海自由貿易試験区及び臨港新エリアは北京など他の自由貿易試験区がすでに発表した人工知能、バイオ医薬、自動車、小売、民間航空などの分野のデータ越境移転のネガティブリストを参照して実施することができるし、上海のネガティブリストを他の自由貿易試験区に適用されることもでき、全国でデータの越境移転において足元を揃える。
現場で会議に出席した企業は、今回の説明によって、データ越境移転ネガティブリストに関する方針への理解が深まり、今後の実施と規定に応じて報告することに対する信頼が高まったと表明した。企業代表の劉さんは、「昨日、政策文書を入手したばかりで、今日の政策説明会に来ました。私たちは政策と操作手順に慣れた後、クライアント企業にこの情報を説明・普及させます。こうして、なるべく早くコンプライアンスを達成し、企業のより良い発展をサポートしたい」と示した。
政策指導サービスをよりよく企業にお届けし、企業がコンプライアンス遵守で効率的なデータ越境流通を実施するのを助け、データ越境移転メカニズム構築に参加する企業の熱意を刺激するため、総合保税区、陸家嘴金融エリア、金橋開発エリア、張江科学城、世博エリアなどの上海自由貿易試験区の5つのエリアにデータ越境移転サービスセンターが同時に設立された。今回のイベントで正式に看板が授与され、一連の取り組みも打ち出された。
今後、浦東新区は、上海市の関連部門の指導と支持の下で、上海自由貿易試験区の各エリアにおけるデータ越境移転サービスセンターの役割を果たし、引き続きネガティブリストの政策普及と指導を着実に行う。また、データ越境移転のハードウェアとソフトウェアサービスの保障能力を絶えず強化し、高水準で世界に照準を合わせたデータセキュリティ管理ルールとデータ越境移転のより便利なメカニズムの確立を模索し、デジタル経済における国際協力の新たな高台を築くための優れたサービスと保証を提供する、
出典:浦東発布