上海、税関特殊監督管理区域の改革深化の推進に関する行動計画を発表
(写真・VCG)
上海市はこのたび、「税関特殊監督管理区域の改革・モデル転換・高度化の深化を推進するための上海行動計画(2025〜2027年)」を発表し、同市の税関特殊監督管理区域(以下、「保税地域」)の改革を深化させ、グローバルな貿易・サプライチェーン体制に対する支援機能の強化を図るものです。その目標と主な任務は以下のとおり。
目標
今後3年間の取り組みを通じて、各保税区域の機能的な位置づけをより明確にし、産業の特色を際立たせ、産業機能と見合った監督管理措置をとり、「スマート化+信用+連携」という効率的な監督体制を確立し、発展と安全を統合する能力を強化し、国際貿易の大きな変動への対応と新たなパターンの構築において、リーディング・モデル・牽引・波及の役割を果たす。上海が目指す「5つのセンター」の構築における重要な機能拠点となり、「国内循環」と「国際循環」の2つの循環をつなぎ、対外開放における制度革新を推進する役割も一層明確になる。
主な任務
1 機能の転換・高度化
(1)外高橋保税区によるグローバル貿易のオンショア+オフショアセンターの建設を支援する。
(2)洋山特殊総合保税区(以下、「総保区」)が包括的で全機能を備えた特殊総合保税区へ転換することを支援する。
(3)金橋、漕河涇総保区が保税研究開発によるスマート製造のけん引を実現する専門型総合保税区を構築することを支援する。
(4)外高橋港、浦東空港総保区が、特色が鮮明で運営効率の高い口岸ハブ型総合保税区へアップグレードすることを支援する。
(5)松江、青浦、嘉定、奉賢総保区が、新たな業態で産業の発展を後押しする多機能型総合保税区へ転換することを支援する。
(6)上海自由貿易試験区の制度イノベーションによるリーディング・牽引・波及の役割を発揮する。
(7)保税地域の配置の最適化を支援する。
(写真・上海自由貿易試験区)
2 産業の向上・アップグレード
(8)重要プロジェクトの導入メカニズムを構築する。
(9)グローバル仕分け・配送機能の高度化と規模拡大を推進する。
(10)保税加工・製造のモデル転換・アップグレードを支援する。
(11)保税メンテナンス業務の加速的な発展を促進する。
(12)保税研究開発の質の高い発展を推進する。
(13)総保区における越境電子商取引の監督管理の便利性を向上させる。
(14)高付加価値商品の保税展示・取引業務の発展を支援する。
3 監督管理メカニズムの改革
(15)活動メカニズムを整備する
(16)部門横断型のスマート監督管理支援プラットフォームを構築する。
(17)「ファーストライン・セカンドライン」管理(保税区-海外間の管理と保税区-中国
非保税区間の管理)の最適化を探る。
(18)区内の監督管理モデルを最適化する。
(19)スマート監督管理システムを改善する。
(20)監督管理制度の革新の試行を推進する。
4 公共サービスの向上
(21)地域の公共サービスを強化する。
(22)資源確保の仕組みを強化する。
(23)政策支援に関する資金確保の仕組みを強化する。
(24)金融サービスの保障を強化する。
(25)人材サービスの支援を強化する。
(26)広報・指導を強化する。