上海自由貿易試験区設立12周年:「中国(上海)自由貿易試験区条例」改正後に正式施行、今後の新たな開放措置を明確化
中国初の自由貿易試験区立法である「中国(上海)自由貿易試験区条例」が改正を終え、上海自由貿易試験区の設立12周年にあたる2025年9月29日に正式に施行された。
(写真・WeChat公式アカウント「中国上海自貿試験区」)
今回の改正は上海自由貿易試験区が10年以上にわたり積み重ねてきた改革・革新の取り組みに焦点を当て、体系的かつ統合的な制度設計を通じて、国内外の経営主体に同区の発展成果と決意を示し、上海自由貿易試験区が引き続き「リーダー」として模範的役割を果たすことが期待されている。
「条例」は全10章69条から構成される。
投資・貿易の利便化の推進と開放型経済の新たな高みの構築では、外商投資参入ネガティブリスト管理、海外投資備案管理、通関の円滑化、国際貿易「単一窓口」構築など、比較的成熟した制度的経験を総括・定着させ、上海自由貿易試験区建設の成果を十分に示している。また、貨物貿易の新業態、越境貿易の全プロセスデジタル化、強制製品認証免除の試行、国際航行船舶向けの医薬品・医療機器補給など、進行中の革新的取り組みに対しても制度上の整備を行っている。
金融開放の加速と越境サービス体系の革新では、上海自由貿易試験区の特色を踏まえ、テクノロジーファイナンス、グリーンファイナンス、デジタルファイナンスの発展を支援する施策を明確化した。産業チェーン全体の発展に関しては、新たな情勢下における上海自由貿易試験区の産業配置とバイオ医薬や人工知能など重点産業の発展方向を明確にした。
データ流通の促進とデジタル経済優位性の育成については、ネガティブリストと運用指針を組み合わせたデータ安全・コンプライアンス越境メカニズムを確立し、データの越境流通を推進することを打ち出した。
(写真・WeChat公式アカウント「中国上海自貿試験区」)
さらに、ポストボーダー制度の最適化とビジネス環境水準の向上などの面では、政府調達、知的財産権保護、エコ・環境保護といった分野の制度的措置を明確化した。世界銀行の最新のビジネス環境評価指標体系に照らし、通信ネットワークの自主選択権などの面でも規定を設けた。