浦東先導区建設5周年:輸出入チャンネルの強化で「双方向の活性化」を促す
中国は、全面的な対外開放を拡大するシグナルを発し続けており、浦東新区も常に国際交流の最前線に立ってきている。
社会主義現代化建設の「先導区(リーディングエリア)」づくりが始まってからの5年間、上海の浦東新区は制度の革新、プラットフォーム構築、サービス向上に取り組んできており、世界とつながる貿易ネットワークをより密にしてきた。これにより、世界の優れた商品が双方向に輸出入できる環境が着実に整ってきている。
企業にとって、グローバルに買うのでも売るのでも、最も必要なのは「安心できるサービス」である。

浦東新区の外高橋にある「全球匯国別・地域センター」には、39の国別センターが集まっている。(写真・中国新聞網)
浦東新区の外高橋にある「全球匯(グローバルハブ)国別・地域センター」(以下「全球匯」)には、39の国別センターが集まり、そのうち18カ国は「シルクロードEC」のパートナー国である。ここでは商品の展示だけでなく、「外高橋グローバル商品選品会」を通じて中国国内のバイヤーとマッチングすることもできる。また、中国の生活雑貨や電子製品も、各国別センターの流通チャネルを通じて、各国・各地域の市場へ進出することができる。
「シルクロードEC」協力先行区の設立は、「一帯一路」共同建設という国家戦略における重要施策の一つであり、上海が国際貿易センターとしての機能を強化するための大きなチャンスでもある。
上海市外高橋国際貿易運営センター有限公司マーケティング部の賈国琳総経理は、「自由貿易区、先導区、そして『シルクロードEC』協力先行区という複数の機能が重なった強みを生かし、『全球匯』はすでに国際貿易サービスの新たなエコシステムを築き上げており、名実ともに共有型の協力プラットフォームとなっています」と述べた。
「全球匯」では、多くの「シルクロードEC」のパートナー国が、総合的な国別館を設立して販売ルートを整え、貿易の配置を強化している。さらに、地域連携や企業合併買収(M&A)を通じて、投資、教育、文化・観光といった分野にまで事業を拡大し、複合型ビジネスエコシステを形成している。
対外貿易企業にとっては、「通関のスピード」と「コスト」は最大の関心事項です。この5年間、浦東は越境貿易における「ボトルネック」に着目し、制度革新によって主なサプライチェーン上の課題を解消してきた。
浦東で上海初の越境EC「9610」海上輸出業務が行われた後、越境EC「9610」方式は、急速に利用されるようになってきた。「9610」方式は、小額・多品目・高頻度の越境ECのB2C小売商品を対象とする税関監督管理に特化した方式である。商品は受注後に国際小包便や専用物流ルートで海外へ届けられる。この方式は、一般貿易に比べて手続きが簡単でコストも抑えられ、小口・多ロットというB2C特有の課題を解決できるだけでなく、企業にとっての高コスト問題や還付金手続きの煩雑さといった問題の改善にもつながり、コスト低減と効率向上を同時に実現している。
各国ごとに異なる貿易ニーズに応えるため、浦東はタイ東部経済回廊の自由貿易区との間で貿易データ共有メカニズムを構築し、さらにカザフスタンとの越境EC情報の相互接続も進めている。これにより、「一度申告するだけで輸出側と輸入側の双方で通関可能」という仕組みを試験実施から定着させ、輸入企業は二重申請や情報の不一致に悩まされることがなくなった。
商品カテゴリーの拡大においても、浦東は従来の貿易管理における「帳簿の壁」を取り払い、保税貨物と越境EC貨物を同一倉庫で扱えるようにし、帳簿間のデータ移行体制を整えた。かつては別々の倉庫に保管されていた輸入化粧品やベビー・マタニティ用品などが、今では同じ倉庫・配送センターで統合して出荷できるようになり、企業の保管コストが下がっただけでなく、消費者も世界中の商品をより早く受け取れるようになった。
同時に、上海石油天然ガス取引センターはアラブ首長国連邦やサウジアラビアの企業と連携し、石油・天然ガス取引における越境人民元決済を進めている。これにより、エネルギーのような大口商品の国際調達をより柔軟で効率的なものになった。
制度革新でボトルネックを解消し、オープンプラットフォームで世界とつながることにより、浦東は「売買のグローバル化」をさらに円滑なものにしている。今後もこの開放の拠点では、世界中の優れた商品が双方向で流通する新たなストーリーが生まれていくことであろう。
出典:中国新聞網