中国の原油先物は3月26日に上場取引 証監会
2月9日、中国証券監督管理委員会(以下「証監会」と略)は 原油の先物が2018年3月26日に、上海先物取引所の支社である上海国際能源交易センターで上場取引すると、発表した。
証監会とは、国務院の直属部門で、証券市場・先物市場、上場企業などの監督・管理、違法取引の調査・処罰に当たる。日本の証券取引等監視委員会に相当する政府機関。
証監会の情報によると、取引の品種は中質硫黄原油で、これは2018年先物市場に出回る初の新品種の先物だということである。この原油は1000桶単位で取引をし、価格水準の変動は一桶にあたり0.1元内(約1.72円)に抑えられ、相場の騰落は最高で前取引日の決済価格の4%までとされ、取引保証金は最低でも契約価値の5%となっている。
海通証券先物研究所の責任者である高上氏は原油の先物が中国資本市場にとって以下の5方面で重要な意義を持つと語った。
一、原油は今後旗艦製品で、先物市場で最大の品種となり、またその取引量は株価指数先物の取引量に相当するほどの量に上る見通し。
二、原油先物の上場は、海外の機関を合弁方式で中国の証券先物取引市場に参入させるための重要な措置となっている。
三、原油先物の上場は、アジア太平洋地域における原油の価格設定システムを完備させることに有利である。この上、さらに正確にアジア太平洋地域の原油の需給状況を反映することもできるようになる。
四、原油の先物が人民元の国際化において重要な役割を果たす。また、上場による原油の先物取引は中国の先物取引市場の対外開放における重要な試みでもある。
五、上述の国際化を通して、先物会社の総合的な実力を向上させることができる。例えば、より良く国内外商品の取引ルールを認識・把握できるようになり、またIT技術と決済の技術・能力を高めるようになるなど。
上海国際能源交易センターの責任者によると、原油先物市場の建設で企業が有効に現物取引における価格リスクの発生を回避することができるようになるという。また企業の経営に対するリスクをも効果的にコントロールできるようになり、さらに市場が石油の資源配置を最適化することで、実体経済を促進することができることも明らかになった。