上海自由貿易区、人民元・外貨一体化アカウントシステムを導入
6月13日、中国人民銀行(中央銀行)行長(総裁)の易綱氏は第11回陸家嘴フォーラムにおいて、上海はまもなく自由貿易区・新片区で人民元・外資一体化アカウントシステムを導入し、さらに便利なクロースボーダー資金管理制度を作る、と発表した。同氏は中国人民銀行今後の事業展開について、以下9点をまとめた。
一、前述した人民元・外貨一体化アカウントシステムの導入を実現。
二、銀行間為替・債券市場を継続的に改善し、通貨オプション商品の種類を増加し、市場参入の主体の範囲を拡大し、シルクロードをテーマとする債券を発展させる。
三、上海黄金取引所とシカゴ商品取引所の提携強化を支援。シカゴ商品取引所で上海金(人民元建て金の値決め)から派生したデリバティブを発行。
四、国際金融組織と外資金融機関の上海進出を支援。
五、長江デルタにおける地域金融提携プラットフォームの設立を支援。長江デルタの金融インフラ連動と金融業務「同城化」(都市間統合)を推進。
六、上海の科学イノベーションセンター建設を支援。「G60科学イノベーション回廊」(上海、蘇州などを含む都市群)を発展させ、「回廊」に適用するように上海の金融開放イノベーション政策を支援し、科学イノベーション企業を対象とする金融サービスを向上させる。
七、上海手形取引所が長江デルタで展開してきた売掛金手形の普及事業を支援し、「割引通」(中国手形取引システムに手形割引を依頼すること)業務を試行。
八、上海における証券会社、基金管理会社などを対象とする外資出資比率制限撤廃の試行を支援。外資金融機関の経営可能な業務範囲を拡大し、「科創板」(Science and technology innovation board)の建設を支援。
九、人民銀行上海本部の機能を整備。