多国籍企業地域本部を累計413社引き寄せ、税関が専門サービスで「本部経済」に新たな原動力を与え=浦東新区
このほど、ドイツの大手化学工業会社であるBasf(中国)有限公司傘下の上海Basfポリウレタンスペシャルティ製品(中国)有限公司の最新の化学工業製品は、上海税関が発行した中国-アセアン自由貿易区原産地証明書により、「ゼロ関税」でスムーズにインドネシア市場に入った。
上海税関地域における第一陣のAEO(Authorized Economic Operator、認定事業者)企業、本部経済のパイロット企業として、Basf(中国)及びその傘下企業は税関による税金徴収管理一体化のグリーン通路サービスを享受することができる。同社の主管地域税関である浦東税関は属地の納税者管理試行を積極的に推進し、原産地管理モデルを最適化し、Basfなどの本部企業がRCEPなどの原産地ルールをうまく活用し、国際競争力を高めるよう指導している。今年10月、浦東税関はBasf(中国)が申告した輸入貨物を約4000ロット受理し、Basf(中国)の傘下企業に原産地証明書5839枚も発行した。
同じく本部企業であるジボダン(Givaudan)日用香精香料(上海)有限公司も、上海税関からさまざまな支援措置に恵まれている。ジボダン傘下の加工貿易関係活動を展開する浦東工場と常州工場は税関が推進するグループ保税監督管理モデルの改革革新試行活動に参加した後、保税材料のグループ内での自由な移動を実現し、企業の生産資源と生産能力の割り当てがより合理的になった。今年に入り、同グループの加工貿易輸出入額は前年同期比25.48%増の2.73億元にも達した。
ジボダン中国地域運営ディレクター呉重慶氏は「税関は我ら本部企業の意見を非常に重視し、対外貿易関連手続きに関する困難をいち早く解決してくれる。浦東税関は我社で税政策調査を行い、ペパーミントオイルとオレンジオイルの輸入税率の調整を提案し、国務院関税税則委員会に採択された。これにより、我社のこの2つの最も主要な生産原料の輸入関税率は20%から10%に引き下げられ、毎年何千万元も節約する見込みだ」と紹介した。
浦東新区は本社機関の集積、本部のエネルギーレベルの向上を「五つのセンター」中心部を建設するための戦略的な措置と都市競争力を向上させるための重要な推進力としている。多国籍企業の地域本部は浦東地域をグローバル産業チェーンのコアと位置づけており、エネルギーレベルの高い研究開発センター、グローバル事業部、アジア太平洋地域本部が続々と浦東に設立され、本部のエネルギーレベルは向上しつつある。今年、浦東新区で多国籍企業の地域本部を24社増やした。
関係者によると、上海で認定された多国籍企業の地域本部数は累計877社に達し、外資の研究開発センターは累計523社で、上海はすでに中国本土で多国籍企業の地域本部が最も集積する地域になっている。そのうち、浦東新区は累計して多国籍企業の地域本部を413社引き寄せ、上海市の半分近くも占めている。浦東税関関長盛甫斌氏は、「税関は本部企業のために越境通関、税金徴収、検査通過などの業務が一体化されたグリーン通路を提供している。戦略的新興産業の需要を中心に、監督管理サービスを改善し、越境貿易の利便性を高め続け、多国籍企業の本部を浦東に誘致するよう取り組んでいる」と語った。