メルク中国と華潤電力が長期グリーン電力購入協定を締結
メルク(Merck)中国は1月25日、華潤電力控股有限公司(CR Power、以下は華潤電力)と10年間のグリーン電力購入協定(Power Purchase Agreement: PPA)を締結したと発表した。これはメルクの中国での初の長期グリーン電力購入プロジェクトであり、10年間で購入するグリーン電力の総量は300ギガワットアワー(GWh)に達する。
協定実施後、メルクの中国での生産・運営に使用されるグリーン電力の割合は60%に引き上げられ、2030年までに購入電力の80%が再生可能エネルギーから供給されることを実現し、2040年までにクライメイト・ニュートラルを達成するというメルクの持続可能な発展目標への取り組みが全世界で推進される。
メルク中国の総裁Marc Horn氏は、「メルクは中国でより環境にやさしい持続可能な生産運営方式を積極的に模索しています。華潤電力と長期的な協定を締結することにより、中国における再生可能エネルギーの使用率がさらに高まり、自社の運営において省エネ・排出削減を実現するだけでなく、中国の脱炭素目標に積極的に貢献することが期待されます。また、我々は中国市場のパートナーの業務の広さと深さに驚きました。メルクと華潤グループはこれまで医薬健康と生命科学分野で協力してきましたが、今回グリーン電力の購入で合意に達し、双方の持続可能な発展分野での協力パートナーシップをさらに固めました」と示した。
中国は2021年にグリーン電力取引の試行を正式に開始し、グリーン電力消費の新しいモデルが登場した。試行がスタートして以来、メルク中国はグリーン電力の取引に積極的に参加している。同社の南通市にある医薬健康生産拠点、生命科学生産拠点は江蘇省のグリーン電力取引に参加した第1陣の企業になった。2023年第3四半期には、上海にあるメルク中国の電子技術生産拠点でもグリーン電力購入が実施された。とはいえ、これらのグリーン電力の取引は、いずれも短期的な年間購入であった。今回華潤電力と10年にわたるグリーン電力購入協定を締結することにより、メルク中国は長期的で安定的なグリーン電力製品を手に入れ、同社の医薬健康、生命科学、電子科学技術業務が中国での生産・運営用電力に対する需要を満たし、グリーン電力の使用率は業界をリードするようになる。
メルク中国は引き続き多くの措置を取り、グリーン低炭素の持続可能な発展のアプローチを模索し、グリーン電力の承認、工場での太陽光発電と風力発電設備の設置、エネルギー消耗を監視・最適化できる炭素・エネルギー管理システム(Carbon & Energy Management System)の配備などの措置を通じ、グリーン工場を全面的に構築し、メルクの持続可能な発展への約束を果たし、中国の「二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトとカーボンニュートラル」目標の実現に助力していく。